京都駅に1番ホームがないわけ
そんな歴史のある京都駅には、ほかでは見られない特徴があります。「0番ホームがあるのに1番ホームがない」のです。
この経緯は1992年にさかのぼります。当時、京都駅では駅ビル工事に合わせた大規模な改修工事が行われており、運転番線の改訂も実施されました。運転番線とは、ホームの有無にかかわらず線路ごとにつけられる番号のことです。
その改訂の際、11本あるJR西日本の在来線には10番までの運転番線しか割り当てられませんでした。11番~14番がJR東海の管轄であったためです。そこで10番までに収めるために0番が用いられることになりました。
京都駅の0番ホーム誕生と1番ホームの行方
ホームの番号は運転番線と違い1番から表示されていたため、1番ホームに0番線が通るというズレが生じてしまいます。その状態が10年続き、2002年になってようやく、1番ホームが0番ホームに改められたのです。
では1番線はどこへいったのでしょうか?
じつは0番線と2番線の間にあります。貨物列車や回送列車の専用通過線路で、そもそもホームが必要でない線路でした。それゆえ、ホームの番号が変更されても支障をきたすことはなかったのです。
京都駅の0番ホームは日本一長い
京都駅の0番ホームは日本一の長さで知られています。
ただし、構造上は関西国際空港行きの特急「はるか」が発着する30番ホームとつながっており、前者が323m、後者が235mで、合わせて558m。これは在来線の列車28両分の長さに相当します。
0番ホームは京都駅以外にもある
京都駅の0番ホームには、東海道本線の上り列車が停車します。なお、長崎駅や盛岡駅など0番ホームのある駅は、京都駅以外にも全国で40ほど存在します。
京都駅は日本最大のホーム番号を持つ
また京都駅は15番~29番のホームもまるまる欠番となっています。JR山陰本線のホームを、“山”陰と「3」の語呂合わせによって31~34 番にしたためです。
いわばJRの遊び心で生まれたわけですが、その結果、京都駅は34番という日本で最大のホーム番号を持つ駅となったのです(実際のホームの数は19本)。
京都駅の運転番線
11~14番線は、東海道新幹線の運転番線となっています。京都駅には近鉄や地下鉄も乗り入れていて、初めて訪れる観光客は乗り換える際に迷ってしまいがちです。15〜29 番線は欠番となっています。
京都駅ビルは斬新すぎるデザインで地元の反対もあった
駅北側にそびえ立つ京都駅ビルは、斬新なデザインが目を引きます。
1997年に「平安建都1200年記念事業」の目玉として開業。「京都は歴史の門である」をテーマに、「梅田スカイビル」などで知られる原広司が設計しました。ただ、建設時には「景観が破壊される」と反対の声も多く上がりました。
それでも現在は、空中径路や大階段などが人気のスポットとなり、駅そのものが観光名所となっています。
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・琵琶湖疏水の秘密/洛中と洛外を隔てるおどい
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・失われた巨椋池/天橋立はなぜあのような地形になったのか
・舞鶴が重要港湾となった地形的な秘密
・霧のまち亀岡(亀岡盆地)
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・若狭と京都を結ぶ「鯖街道」
・日本初の一般営業用電車が通った京都市電
・京都鉄道博物館
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・幕末の騒乱の舞台となった京都
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