JR学研都市線と片町線
メインアクセスを担う学研都市線は、木津川市の木津駅から大阪市の京橋駅まで走ります。
もともとは片町線と呼ばれ、大阪市都島区にあった片町駅が起点でしたが、1997年にJR東西線が開通して駅は廃止されました(ただし片町線の名前は路線名として残っています)。
そのJR東西線と直通運転を行っているため、兵庫県の尼崎(あまがさき)駅まで乗り換えなしで行ける便利な路線です。
学研都市のおもな施設と片町線
片町線の歴史は古く、一部区間(片町~四條畷)は、1895年開業。生駒山地の北を迂回するように線路が走ります。住民が増えたこともあり、1991年にはJR西日本で初の通勤電車が投入されました。
学研都市の都市開発は現在も進行中
都市建設は1978年に調査懇談会が発案し、1987年に国の支援で建設がスタート。バブル経済の崩壊とその後の不況で整備区域は計画の60%ほどになってしまいましたが、都市開発は現在も進行しています。
文化や環境、IT、ロボットなどの最新分野での研究が進められるとともに、企業の研究拠点を誘致する動きも活発です。一時減った企業の進出も、2011年の東日本大震災以降、災害の少なさが再評価されて増加傾向にあります。
学研都市へのおもな進出企業
おもな進出企業は環境やバイオ関係、IT関連などで、トランプなどを製造する「エンゼルプレイングカード製造」のような ユニークな企業もあります。
さらに、ドイツ機械メーカーのSEW-オイロドライブ・ジャパンのような海外企業の日本法人、パナソニック、NTT、サントリーなどの大手も拠点を構えています。
学研都市は関西の重要な研究拠点
学研都市の建設の理念は「産・官・学の連携の強化」「文化・学術・研究の国際的・学際的・業際的な交流の推進」で、多くの学校が設立されています。
中核となるのは、国立の奈良先端科学技術大学院大学で、ほかにも大阪電気通信大学、同志社大学、京都府立大学などが進出しています。大阪大学大学院や京都大学大学院の研究所もあります。
まだ発展途上で交通網も不十分ではあるものの、学研都市は間違いなく関西における重要な研究拠点なのです。
先進都市にある一休さんの寺
京田辺駅の近くにある酬恩庵は「一休寺」とも呼ばれ、1293年までに禅寺として開かれたとされます。しかし鎌倉時代末期の火災で100年以上も衰退。
これを1456年に再興したのが、アニメ「一休さん」のモデルとして有名な一休宗純で、晩年もこの寺で過ごしています。
現在でも境内には宗純が埋葬された宗純王廟が置かれ、弟子がつくったという宗純の木造も安置されています。
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Part.1 地図で読み解く京都の大地
・京都府の4地形区と断層/京都盆地とその出入り口(逢坂と大山崎)
・琵琶湖疏水の秘密/洛中と洛外を隔てるおどい
・観光のメッカ東山の地形(地獄の入り口六道珍皇寺)
・失われた巨椋池/天橋立はなぜあのような地形になったのか
・舞鶴が重要港湾となった地形的な秘密
・霧のまち亀岡(亀岡盆地)
…などなど京都のダイナミックな自然のポイントを解説。
Part.2 京都を駆ける充実の交通網
・山城盆地を通る街道(東海道、中山道の終着地)
・若狭と京都を結ぶ「鯖街道」
・日本初の一般営業用電車が通った京都市電
・京都鉄道博物館
・梅小路
・京都の私鉄〇〇な阪急
・大赤字から復活した京都丹後鉄道
…などなど京都ならではの交通事情を網羅。
Part.3 京都の歴史を深読み!
・丹後に一大勢力が存在した証拠 三大古墳に埋葬された人々
・古代日本を支えた渡来人と京都の関係
・なぜ京都は都になったのか 恭仁京~平安京までの変
・南北朝動乱の始まり 笠置山の戦い
・信長、光秀、秀吉…みんな京都で死んだ
・幕末の騒乱の舞台となった京都
・近代化にいち早く着手!日本初の博覧会は京都の寺で開かれた
…などなど、激動の京都の歴史に興味を惹きつける。
Part.4 京都で育まれた産業や文化
・シンボル京都タワーと近代建築
・学問の都・京都の大学
・京料理とそれを支える伝統野菜
・「丹波」ブランドをめぐる攻防
・日本映画と京都
・「女酒」伏見の酒蔵
・王城の裏鬼門「男山」と岩清水八幡宮
…などなど京都の発展の歩みをたどる。
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