目次
【秋田の近現代の歴史③】秋田県を襲う昭和恐慌
近代の秋田県では鉱山業、非鉄金属工業、石油、農業、林業、漁業などが中心的な産業でした。ですが、1930(昭和5)年に世界恐慌の余波で日本でも昭和恐慌が起こると、不況の波は農村を直撃します。
政府主導の満州(中国東北部)への武装移民(満蒙(まんもう)開拓移民と満蒙開拓青少年義勇軍)の募集が始まると、秋田県からは全国10位となる人数が送り出されました。隣県の山形県が第2位であることを考えると、いかに当時の東北の農村が疲弊していたかがわかります。
【秋田の近現代の歴史④】食糧増産のための八郎潟干拓計画
1945(昭和20)年8月15日には太平洋戦争が終結し、復員兵が農村に復帰しました。1946(昭和21)年に70万人弱だった秋田の農村人口は、1951(昭和26)年には77万人を超えました。
食糧不足から食糧増産が急務となり、翌1952(昭和27)年には八郎潟(はちろうがた)の干拓計画が持ち上がります。1957(昭和32)年から工事に着工すると、7年かけて約1万7000ヘクタールのあらたな土地が整備され、大潟村(おおがたむら)が誕生しました。
【秋田の近現代の歴史⑤】ブランド米「あきたこまち」誕生
戦後の秋田県では米の増産に取り組んできましたが、高度経済成長期を経て日本は経済的に豊かになり、国民の食生活も変容すると、「米あまり」の時代が到来します。
農村人口も都市部へと流出していくなか、県域での稲作は「量から質」へとシフトし、1982(昭和57)年には戦後初の県産銘柄米「あきたこまち」が誕生し、ブランド化しました。
【秋田の近現代の歴史⑥】秋田県が抱える課題
現在の秋田県では少子高齢化が進み、2018(平成30)年時点での高齢化率(人口に占める65歳以上の比率)は全国トップの36.4%。2045年には50%を超える見込みとなっています。全国に先がけ、あたらしい社会のあり方を模索している渦中にあるといえるでしょう。
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地形、交通、歴史、産業…あらゆる角度から秋田県を分析!
秋田県の地形や地質、歴史、文化、産業など多彩な特徴と魅力を、地図を読み解きながら紹介するマップエンターテインメント。秋田の知っているようで知られていない意外な素顔に迫ります。地図を片手に、思わず行って確かめてみたくなる情報を満載!
Part.1 地図で読み解く秋田の大地
・秋田県の地形総論
・火山の痕跡や地殻変動を体感!男鹿半島ぐるり1周ジオ巡り
・世界最大の二重カルデラ湖「十和田湖」はどうやって生まれた?
・地下にかつての雄物川の流路!? 秋田平野が形成の驚きのしくみ
・黒川や雄物川流域に油田続々!秋田ではどうして油が採れる!?
・ブナ林が発達し海成段丘が縁取る 起伏が激しい白神山地の形成史
・美しき田園・象潟の九十九島は鳥海山の山体崩壊でできた
・大館・鷹巣・鹿角盆地と能代平野 米代川流域に形成された地形の謎
Part.2 秋田を駆ける充実の交通網
・全国2番目のミニ新幹線、E6系「こまち」が走る秋田新幹線
・一部レール幅を変えて新幹線もいく!福島~青森を結ぶ幹線・奥羽本線
・新津~秋田を結ぶ日本海側の動脈 寝台特急「日本海」も走った羽越本線
・米代川に沿って走る本州横断線 スイッチバックも見事な花輪線
・東能代~川部を結ぶ絶景ローカル線 「リゾートしらかみ」が走る五能線
・鷹巣と角館を結ぶ旧国鉄角館線 秋田内陸縦貫鉄道は見どころ満載!
・釜石~横手~本荘を結ぶ大計画も!? 由利高原鉄道鳥海山ろく線がすごい
・小坂鉱山の鉱石輸送のため開業 旅客輸送も担った幻の小坂鉄道/昭和40年代に消えたローカル私鉄 羽後交通の雄勝線・横荘線とは?
Part.3 秋田の歴史を深読み!
・秋田の古代史総論
・大型住居跡やストーン・サークルなど秋田県の縄文遺跡がおもしろい!
・出羽柵が遷置・整備されて秋田城と呼ばれるようになった
・奥羽を支配した出羽の豪族・清原氏が後三年の役により滅亡
・秋田の中世史総論
・八郎潟東岸を拠点とする大河兼任が鎌倉幕府に対して反乱を起こす
・秋田の近世史総論
・佐竹氏の入部以降、鉱山開発が進み鉱業が秋田藩の財政を支えた
・古来より栄えていた舟運に加え街道が整備され交易が盛んに!
・近現代史総論/奥羽越列藩同盟を離脱し新政府側へ 秋田藩の戊辰戦争と戦後のゆくえ
・日本最後の空襲となった土崎空襲 どうして土崎港が狙われたのか?
Part.4 秋田で育まれた産業や文化
・全国屈指の産油量だった秋田県がシェールオイルの開発・商業生産へ
・秋田港、船川港、能代港 三つの重要港湾が海上輸送網の拠点
・国内有数の米どころ・秋田県は農業産出額の5割以上を米が占める
・かつては国内2位の広さを誇る湖!? 八郎潟の干拓と大潟村の歴史
・古来より建材や工芸品に用いられた秋田杉の活用と保存の取り組み
・日本のロケット発祥の地は秋田県の道川海岸だった!
・地熱発電や風力発電などの再生可能エネルギーの導入が加速
・県内各地で伝承されている民俗芸能 国指定重要無形民俗文化財は国内最多!
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